#15 整形外科超音波学会in広島 に参加した感想

Jul 28, 2022

広島で日本整形外科超音波学会に2日間参加させていただきました。全国からドクターや理学療法士、セラピスト(鍼灸・柔整など)が集い、超音波エコーを活用した診断・治療・リハビリなどの発表を行う学会です。

感染対策を徹底し、今年は開催されました。

感想など備忘録的に残そうと思います。

■エコーを基軸とした一歩進んだ医師と理学療法の連携 わだ整形外科クリニック 和田誠先生

大阪枚方で、サッカーJFLティアモ枚方のサポートもされてる整形外科。診断・評価にこだわり、注射もうまくて、PTのリハビリも充実している。自分がPTならここで働きたいと思いました。肉離れなどは私の師匠だと勝手に師事している先生のお話でした。

■外来診察室で行えるエコー下頚椎硬膜外ブロックについて まえだ整形外科 前田学先生

今回の学会に来た目的の1つは前田先生のお話を伺うこと。前田先生は、外来でエコー下にて首や腰のブロック注射を行われている先生。

おそらく全国で前田先生しかできない注射をしていると思っている。

今回、直接お話しする機会があったので、腰椎の椎間板ブロック注射について質問させて頂いた。

個人的には、アスリートの腰痛で腰椎椎間板ブロックで改善するケースが多いが、外来で行っていただける先生は少ないと思っていたのでその辺をご質問させて頂いた。非常に有意義な時間でした。

エコー下頚椎硬膜外ブロックは、神経根ブロックで効果のいまいちな患者様には、お勧めしたい注射です。中心型のヘルニアや黄色靱帯肥厚などによる脊柱管狭窄などからくる肩甲背部や手のしびれの方は、神経根ブロック注射が効果が少ないケースもあると考えてます。外来のエコー下で行っているのはすごいと思います。

■第一肋骨疲労骨折を超音波診断装置で確認できた10例 医療法人ポイントワン ならやまと整形外科 スポーツクリニック 中野雅彦先生

10代の野球やバレーボール・バドミントンなどをしている選手の首や背中の痛みは、疲労骨折を見逃さないように、エコーで確認したいと思います。

射角筋の関与と共に、前鋸筋上部繊維の肋骨付着部に対するアプローチの必要性も再認しました。

■非特異的腰痛症におけるSonotenderness法の有用性について まえだ整形外科 前田学先生

背側から椎間関節など圧痛がないケースで、腹側からエコー下で仙腸関節や椎間板の圧痛を確認して責任部位を特定しブロック注射を行う手法。フロアからは、大腰筋の圧痛が混在しているのでは?と、意見が出たが、個人的には特に椎間板の障害による痛みの関与を疑う所見は、得れると考えています。

エコー下で椎間板ブロックを行っていただけるのは特にアスリートでは必要なシーンがあると思っています。

■完全エコーガイド下腰部経椎弓間硬膜外ブロックについて 済生会御所病院 釜谷佳幸先生

腰部経椎弓間硬膜外ブロックは、神経根ブロックで効果が限定的な、黄色靱帯肥厚などによる脊柱菅狭窄症や中心型のヘルニアには必要な注射だと思っている。エコーガイド下で行えるのはすごいと思った。

■仙腸関節障害に合併した脊柱管外坐骨神経痛障害への超音波ガイド下ハイドロリリースによる治療部位に関する検討 よしだ整形外科クリニック 吉田眞一先生

私がエコー下の注射の凄さを最初に確認させて頂いた先生。脊柱管外の坐骨神経障害を治療することにより症状はとれるケースは多い。ヘルニアや脊柱管狭窄症と診断されても、そこ以外を治療することで改善するケースは多いということ。鍼治療の効果も期待できると感じた。

■エコーによって我々はどんな注射が出来るようになったのか?ー膝関節内側部痛に対するエコーガイド下注射ー 金沢大学大学院 中瀬順介先生

J2ツエーゲン金沢のチームドクターをされている中瀬先生。内側側副靱帯包、半膜様筋腱包、鵞足包、上下内側膝神経は私の臨床上でもターゲットとなる部位で、更に解剖の理解を高めエコー下で鍼治療やリリースなどが出来るようになりたい。内側膝神経には脛骨神経からの分岐部もターゲットにしたいが、どのようにエコーで特定していくかを模索したい。

■世界への扉

このセッションが当学会で最も刺激を受けたうちの一つ。端的に言えば英語の必要性を痛感した。

・末梢神経と私のシンクロニシティー 和歌山県立医科大学 曽根勝真弓 

研究留学で渡米した後の苦労や挫折を耐え抜いて、挑戦を続けて結果を出すお話しが胸に刺さりました。発想の転換から研究を前進させた、高い評価を得られた。そのやり抜く力に勇気をもらいました。

・北米生活から得たもの 東京女子体育大学 塚原由佳先生

この話も衝撃的。子供の頃から海外生活されていたからかはわからないが、ハキハキと自分の意見を自分の言葉で述べられている感じを見て、自分の意見を持つ・伝えることの重要性を感じた。

性別や年齢で、選手やコーチから下に見られているような感じがする話しなんて、なんとなく想像つくし、無意識で悪気なく人を傷つけていることはあるだろうなとか、自分も気をつけようと感じました。

女性は出産などで仕事を離れ自信を失っているので、勇気ずける言葉をかけてあげてください。スーパーマンじゃなくても普通に生きていける環境作りの大切さ。みたいな話しは響きました。

・挫折と再生の旅、ピッツバーグ留学〜楽しかったり、いじけたり〜東京先進整形外科 面谷透先生

多くの患者様を見て頂いている面谷先生が、東京オリンピックで金メダリスト達のサポートをしたあと傷心の中で渡米されたとは、知らなかった。

これまでは、他人の人生のステージにいたが、これからは自分の人生のステージで歩んでいきたい 的な話しが心に響いた。

世界における自分の立ち位置か。。。。。

■ランチョンセミナー 見えないもののミカター究極の超音波ガイド下治療を目指してー

横浜市立大学附属病院 宮武和馬先生

どこまで続くの?このセミナーを待つ列の最後尾まで数分かかった。結局メイン会場に入れず、別会場でのライブ視聴することになった。すごい人気だ。

達人しか見えない神経や組織をいかに見えるようにするか?一度見えたらそうにしか見えなくなる。

宮武先生には現在も何人も患者様を紹介させて頂いて、見学もさせて頂いている。ターゲットに綺麗に針先が届き薬液を撒く一連の所作が綺麗でもちろん治療効果も高い。

そこにいくまでの苦労を見えたのと、常に先を見据えて研究されていることが垣間見えた。

■立ち話 帝京大学スポーツ医学センター 笹原潤先生/ 和田誠先生 /新潟医療福祉大学 江玉睦明先生

学会のいいところは、ドクターやお世話になっている方に直接ご挨拶できることだ。私は現在複数のドクターと面識があり、患者様を紹介させて頂いている。それは、学会や講習会に参加させていただき

名刺をお渡しし、何かあれば患者様をご紹介させて頂いていいですか?という活動を繰り返し、少しずつお話しできるドクターが増えていきました。

ロビーに出たらたまたま江玉先生がいらっしゃったので、ヒラメ筋の肉離れの話をしていたら、和田先生と笹原先生も加わっていただいてお話しすることができた。いくつか質問もさせていただき、貴重な時間になった。

ヒラメ筋肉離れのまだわかってない部分が鮮明になった。わかってない部分がわかると、選手を目の前にしてプレーするかしないかの判断の際に、わからないこともあることをきちんと説明し、判断材料に加えることができる。

■捻挫エコーの全て 帝京大学スポーツ医学センター 笹原潤先生

あんなに早く綺麗に抽出するのは相当練習が必要だが、やってやると思った!ATFL(前距腓靱帯)PTFL(後距腓靱帯)AITFL(前下脛腓靱帯)PITFL(後下脛腓靱帯)CFL(踵腓靱帯)

距骨下関節 距舟関節 三角靱帯・・・

見えてもその後、どういう治療をするかの判断が大切になるので、ドクターと連携してしっかり病態を評価し、治療にあたりたい。特に固定が必要な場合は、ドクターと協力してしっかり理解して納得いただけるようにしたい。

子供の最初の捻挫をしっかり治すことは自分の使命の一つだと思っています。捻挫グセになり最終的に手術になるアスリートを一人でも減らしたいと改めて思いました。

■【秘訣】違いを生み出すエコーガイド下注射の秘訣 東京先進整形外科 面谷透先生

1000枚以上の復習用スライドは圧巻でした。努力がすごい。動画を撮った方がいいというアドバイスも実践したい。

これがやれればビギナーも中級者以上を目指せるなと納得。なかなかできないけど。。。。

■ランチョンセミナー 脊椎エコーのすべてー更なる高みへー和歌山県立医科大学 岩﨑博先生

楽しみにしていたセッションの一つ。めちゃくちゃ勉強になりました。鍼灸師として、背中や手足のしびれの方に神経根の鍼治療を行ってますが、どこにアプローチすればいいのかが明確になりました。

第5腰椎神経根へどうアプローチすればいいのかもヒントをいただきました。MRIとエコーが同期して見えるFusionは、ターゲットに安全・的確に針先を進めるための教科書ができると思いました。

■治療法から病態を考える〜なぜその治療は効果があるのか?私たちは何を治してるのか?〜

・ハイドロリリース(HR)のこれまでとこれから 東京先進整形外科 面谷透先生

・パルス波高周波法(PRF)による慢性痛治療 名古屋大学医学部附属病院 柴田康之先生

・多血小板血漿(PRP)療法 10年以上にわたる治療経験〜続けてきたからこそ見える適応と限界と工夫〜

日本体育大学クリニック 清水勇樹先生

・腱障害とコンパートメント症候群:TENEX使用で見えてきた腱障害の新たな一面

Kentaro Onishi Department of Orthopedic Surgery ,University Pittsburgh

・慢性疼痛に対する運動器カテーテル治療および簡易的動注治療

Okuno Clinic 奥野祐次先生

HR/PRF/PRP/TENEX/運動器カテーテル それぞれの治療のエキスパートが集い議論されたのは画期的だと思う。しかも、それそれの限界点をお話しいただけたのはすごい。

鍼灸師や柔整師が学会に出るメリットの一つは、どんな治療を誰がやってるか知れる事だ。例えば、自分の治療で効果が限定的だった場合、その患者様の苦痛を改善するために、どうするか?

治療法を知ることで、そのドクターに紹介させて頂き、別の治療を受けて頂くことが可能になる。

例えば以前あったケースで、あるアスリートが膝の前が痛くて走れないと来院されました。エコーや身体所見から重度の膝蓋腱炎の疑いあり、スポーツドクターに紹介しました。

ドクターは、プロロセラピーというブドウ糖の注射をまず行って頂いたが痛みが残り、PRPを行いかなり改善されましたがまだ残る。最後にTENWXを行い痛みがかなり改善し競技復帰

できました。

このように、誰がどんな治療をしてるかを知ることで、障害の重症度や部位などによりそのドクターを紹介するか決めることができます。

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